良いことじゃ仙人の教え【幸運を呼ぶ物語】
ある村に、「全てを良いことと思う仙人」が住んでいた。
その名も良いことじゃ仙人。
彼はどんなことが起きても、「まあ、それも良いことじゃ」と笑い飛ばしてしまう。
その性格があまりに極端で、村人たちは彼を尊敬しつつも、ちょっと変わり者だと思っていた。
災いもチャンス?
ある日、村人の一人であるタロウが仙人を訪ねてきた。
「仙人!大変だ!牛が逃げてしまったんだ!」
仙人はゆっくりお茶をすすりながら、「それは良いことじゃ」と言った。
「ええっ!?どうして牛が逃げたのが良いことなんですか!」
仙人はにっこり笑って答える。
「お主、最近牛の世話に追われて畑をサボっておったじゃろ?これで畑に集中できるのう」
「・・・うっ、確かにそうだけど!」タロウは納得したような、していないような顔で帰っていった。
怪我の光明
次の日、村の鍛冶屋のジロウが大慌てで仙人の元へ駆け込んできた。
「仙人!手を火傷しちまったんだ!これじゃ仕事ができねぇ!」
仙人はまたお茶をすすりながら、「それは良いことじゃ」と言った。
「火傷が良いことなわけないだろ!どういうことだよ!」
仙人は笑顔で言った。
「この機会に休むんじゃ。お主、最近肩が痛いとか言っておったじゃろ。今は体を休める時期じゃ」
ジロウは不満げに帰ったが、数日後、休養のおかげで肩の痛みが消えた。仙人の言葉が本当だったことを悟る。
ポジティブの極致
そんな仙人も、ある日ついに自分に災難が降りかかる。山で採ったキノコを調理して食べたところ、食あたりを起こしてしまったのだ。
「うっ、腹が痛い!これはかなり悪い状況じゃな……いや、これも良いことじゃ!」
苦しみながらも仙人は独り言を言う。
「これで次回から毒キノコを見分ける力が身につくというものじゃ!」
村人たちはその姿を見て思わず笑ってしまう。
「仙人、そこまでポジティブだと、逆にすごいな!」
村全体がポジティブに
仙人の影響で、村人たちは少しずつポジティブ思考を取り入れるようになった。
牛が逃げたタロウは、畑が豊作になったし、火傷したジロウは、新しい道具を作るアイデアを思いついた。
そして仙人は、村人たちにこう語りかけた。
「良いことか悪いことか、それはすぐに決める必要はないのじゃ。時がたてば、すべての出来事が意味を持つ。だからまずは『良いこと』と思って笑ってみるんじゃ!」
村人たちは「まあ、そういうことにしておこう」と笑い、村中が少しずつ明るくなっていった。
良いことじゃ仙人のポジティブで明るく楽しい教えは、幸運を呼び、多くの人の人生を楽しく明るくしてくれます!